和歌山の自己破産について(1)給料の差押えを受けた場合

給与差押えを受けた場合の自己破産

1.給与差押えとは

 借金の滞納が続くと、カード会社や銀行などの債権者は、訴訟を提起してくることがあります。

 そして、債権者は、勝訴判決をもって、債務者の勤務先に対し、給与を差し押さえる手続きをとることが可能になります

 給与の差押え手続きがなされると、借金が完済されるまで、強制的に、毎月、給与額の原則4分の1が借金の返済にあてられることとなります。

2.給与差押えを回避する手段としての自己破産

 自己破産の申立てをし、破産手続開始決定を受けることができれば、差押え手続きを止めることが可能です。

 つまり、破産手続開始決定を受けた後、その旨を、差押えを担当する裁判所に上申すれば、その時点で、差押え手続きが「中止」されます。

 もっとも、「中止」とは、次に述べる「免責」決定を受けるまで、差押え自体は行われるが、差し押さえられた給与は債権者に支払われず、勤務先の元に保留されていく、ということになります。

 その後、借金の返済義務が消滅する「免責」という決定を受ければ、差押え手続きが失効します。

 つまり、「免責」決定を受けた時点で、破産手続開始決定時以降に差し押さえられて勤務先に保留されていた給与が、全額、返還されることとなります。

 以上のように、給与差押えをされたとしても、すみやかに破産申立を行えば、給与差押えによる損失を抑えることが可能となります。

以 上

なかむら法律事務所・司法書士事務所(和歌山市)

弁護士・司法書士 中村和也