和歌山の不倫慰謝料について(3)不倫慰謝料の相場

不倫慰謝料の相場

 不倫相手に対する慰謝料の額は、諸事情を考慮して判断され、絶対的な計算式があるわけではありません。

 考慮される諸事情についてはこちらの記事↓も参照ください。

 ※和歌山の不倫慰謝料について(2)不倫慰謝料の判断要素

 一般的な相場としては、100万円程度のものがほとんどです。

 以下、いくつかの事例を紹介しますので、参考にしてください。

不貞行為が1回のケース

 妻(31歳)が、夫(40歳)の不倫相手の女性に慰謝料請求した事案。

 結婚期間10年。不貞当時、夫婦関係は、以前夫に女性関係があったことから希薄になっていたが破綻はしていない。未成年の子が二人いる。不貞行為は1回のみ。不貞相手の女性と夫は高校時代の友人。不貞発覚後、夫婦は別居し調停離婚した。

 →慰謝料100万円が認められた。

不倫発覚後も不貞関係を継続したケース

 妻(33歳)が、夫(41歳)の不倫相手の女性(28歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間3年半。不倫相手の女性が勤務していたキャバクラで夫と知り合い、不貞期間6か月。不貞発覚後、妻が不倫相手の女性に不貞関係を止めるよう要求するも、不貞関係を継続する。夫婦は別居の末、離婚調停を経て離婚訴訟により離婚した。

 →慰謝料100万円が認められた。

不倫相手が不貞に積極的な役割をしたケース

 妻(41歳)が、夫(41歳)の不倫相手の女性(50歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間15年。不貞当時の夫婦関係は円満で、未成年の子が二人いる。不貞期間1年半。不倫相手の女性が職場で夫と知り合い、既婚者であると知りつつ不倫相手女性が積極的に交際を持ち掛け、慰謝料請求提訴後も交際を継続している。夫婦は別居や離婚はしていない。

 →慰謝料200万円が認められた。

不倫相手との間で妊娠、中絶したケース

 夫(26歳)が、妻の不倫相手の男性に慰謝料請求した事案。

 結婚期間2年。不貞当時の夫婦関係は良好ではなかったが破綻していたわけではない。不貞期間1年。不倫相手の男性が職場で妻と知り合い、不貞行為と2度の人工中絶手術が行われた。このことを知った夫が自宅を出て別居した。

 →慰謝料400万円が認められた。

不倫相手が夫(妻)から離婚すると聞かされていたケース

 妻(46歳)が、夫(47歳)の不倫相手の女性(42歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間16年。不貞当時、未成年の子が二人おり、夫は単身赴任で別居中であるが夫婦関係は破綻していない。不貞期間2年。不倫相手の女性が職場で夫と知り合い、夫から離婚の意思は固いと聞かされたため交際を始めた。 不貞行為発覚後、夫婦は別居している。

 →慰謝料300万円が認められた。

不倫を継続するととともに離婚を要求されたケース

 夫(53歳)が、妻(48歳)の不倫相手の独身男性に慰謝料請求した事案。

 結婚期間11年。以前、夫が不貞行為をしたことを妻に謝罪し、妻も婚姻関係を維持することを望んだという事情があったため、不貞当時、外形的には円満な夫婦関係であった。不貞期間5か月。不倫相手の男性と妻はマッチングサイトで知り合う。妻が、不倫相手の男性に同居を持ち掛け、以降、不倫相手の男性との同居を継続しているのに対し、夫には、別居すると同時に離婚を持ち掛け、離婚調停を申し立てた。

 →慰謝料200万円が認められた。

不妊治療中に不貞をされたケース

 妻(44歳)が、夫(52歳)の不倫相手の独身女性(38歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間11年。不貞当時、夫婦関係は平穏であり、妻は子を望んで不妊治療を行っていた。不貞期間2年半。不倫相手の女性が夫とワインサークルにて知り合い、以降、宿泊を伴う旅行をするようになる。不貞発覚後、夫婦は別居している。

 →慰謝料200万円が認められた。

不貞発覚後も不誠実な対応をされたケース

 夫が、妻の不倫相手の既婚男性に慰謝料請求した事案。

 結婚期間8年。不貞当時、夫婦関係は、口論したり性交渉が少なくなっていたが具体的な離婚の話はなく、子供の世話も共同しており、破綻していたわけではない。未成年の子が二人いる。不貞期間6か月、性交渉は20回程度。バンド活動で知り合い互いに既婚者であると知っていた。不貞発覚後、不倫相手の男性は夫に謝罪するも、不貞期間を真実より短く偽って述べた。その後、夫婦は別居の末、協議離婚した。

 →慰謝料322万円が認められた。

結婚期間が比較的長いケース

 夫(52歳)が、妻(49歳)の不倫相手の男性(49歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間22年。不貞当時、夫婦関係は平穏であった。未成年の子が二人いる。不貞期間5か月。不倫相手の男性と妻は中学校の同窓会で再会し、以降、互いに愛情をあらわに伝える親密なメールのやりとりをした。夫婦は別居も離婚もしていない。

 →慰謝料200万円が認められた。

不倫相手が夫(妻)から独身と聞かされていたケース

 妻が、夫の不倫相手の女性に慰謝料請求した事案。

 結婚期間4年半。不貞当時、夫婦関係は平穏であった。不貞期間1年半。飲み会で知り合い、夫が不倫相手の女性に対し「バツイチで籍は抜いている」と話して交際を申し込み、不倫相手の女性がこれを信じて交際した。その後、不倫相手の女性は、夫が既婚者であることを知ったが、交際を続け、今後も夫と別れる意思はないと断言した。その後、夫婦は別居した。

 →慰謝料250万円が認められた。

不倫をされた夫(妻)側にも破綻の原因があったケース

 夫(51歳)が、妻(48歳)の不倫相手の既婚男性(52歳)に慰謝料請求した事案。

 結婚期間20年。不貞当時、夫婦関係は会話が減り疎遠になっていた。未成年の子が二人いる。不貞期間2年。不倫相手の男性は知人の紹介で妻と知り合う。夫は、以前、他の女性と親密な関係になったことが妻に発覚し、二度としないことを確約したが、妻の本件不貞期間中にも、他の複数の女性と親密な関係にあることが発覚した。その後、夫婦は別居し離婚訴訟で離婚した。

 →慰謝料200万円が認められた。

以 上

なかむら法律事務所・司法書士事務所(和歌山市)

弁護士・司法書士 中村和也