任意整理とは、簡単にいうと、債権者と交渉し、将来利息をカットしてもらったり、長期の分割払いにしてもらったりする手続きのことです。
・返済しているが、なかなか借金が減らない。
・借金の支払総額をおさえたい。
・自己破産を避けて何とか支払っていきたい。
という方の家計の立て直し手段としてよく利用されています。
※特に、大手の消費者金融やクレジット会社に対する債務整理として有効です。
※ギャンブル(競艇・競馬・競輪)、株取引、FX等による借金のために破産できない方でも任意整理の利用が可能です。
目次
1.任意整理の流れ
(1)債権者へ受任通知の送付
弁護士が代理人となったことを通知する書面(受任通知)を各債権者に送付します。
受任通知を送った時点で、以降の債権者からの請求をストップでき、返済も一旦ストップすることになります。
もちろん、新たに借入やクレジットカードの利用もできなくなります。
(2)債権者との交渉に向けての準備
借金の返済がストップしている間、弁護士費用を月々お支払いいただきます。
(3)各債権者との交渉
弁護士費用の支払が済んだ後、弁護士が各債権者に対して、将来利息のカットや長期の分割払いを認めてもらえるよう、交渉を開始します。
(4)各債権者との合意
返済条件について、各債権者と合意ができた場合、合意書を作成します。
(注意:将来利息のカットや長期の分割払いについて、応じない債権者もいます。)
(5)返済の開始
合意書で定められた条件に従い、各債権者に対して、毎月返済をしていただきます。
合意書で定められた総額を支払い終えれば、完済となります。
2.任意整理の効果
(1)将来利息のカット(返済総額の減少)
将来利息がゼロパーセントになるため、毎月の分割返済を怠らなければ、返済した分だけ借金が減っていきます。
返済額はすべて元金に充当されるため、返済総額が大幅に減少することとなります。
(2)長期分割によって返済月額を減らすことも可能
長期分割によって、従前の返済月額を減らせることがあります。
返済期間は通常3年程度となることが多いです。
(注意:任意整理をすることにより、場合によっては、返済月額が増大してしまうこともあります。)
3.任意整理の注意点
(1)信用情報への登録
信用情報機関に任意整理をした情報が登録される(いわゆるブラックリスト)ため、完済してから5年間はクレジットカードやキャッシング、ローンの利用が困難になります。
もっとも、任意整理手続きの前から返済を滞納中であったり、ゆくゆくは返済不能になるような状態であれば、いずれ信用情報に登録されますので、任意整理をしてもしなくとも同じ事ともいえます。
(2)原則、すべての債権者を対象とする必要があります。
一部の債権者のみを任意整理の対象とすることも可能ですが、家計を再建するためには、すべての債権者を対象とすることが望ましいです。
(3)債権者によっては将来利息のカットや長期の分割に応じないこともあります。
取引期間が短い、すでに訴訟提起されている、債権者が街金である、等の場合には、債権者が任意整理に応じないこともあります。
以 上